05.12.21up

・・・・・アワガミファクトリーが発行するニュースレター 2005 Winter Vol.18 が届きました。
一部をご紹介します。・・・・・

造形作家
吉本里絵さんの巻
プロフィール
広島県福山市在住。
琉球大学(教育学部中学校
教員養成課程美術工芸科)卒業。
現在、造形作家として活動。

今回は、12月に和紙会館にて作品展をされる、吉本里絵さんをご紹介します。和紙の原料や道具まで手作りされる吉本さんに作品づくりのきっかけや、こだわりなどをお聞きしました。

Q1 作品づくりのきっかけは?
大学の卒業制作から。(12〜13年前??)最初は絵を描いていたけれども、紙に携わるうちに、「紙っていいな」と思うようになり、それから「絵を描くように紙で描こう」と思い、現在のような作品をつくるようになりました。
Q2 作品に対する思いや、こだわりなどはありますか?
制作で一番たのしいのは、「漉いているとき」。できあがったものには、比較的執着しません。作品では、「しわ」にこだわりがあります。しわの部分も含めて、出来上がった作品には後処理(薬品やニスなど)はまったく施しません。自然のままの状態を、楽しみます。
Q3 制作方法を少しだけお聞かせください。
コンセプトは、紙の「素材」を大切にすること。阿波手漉から楮原料を仕入れることもあるけれども、自ら山へ入り、自生している楮を刈り取って皮を剥ぎ、処理もすべてして制作することもあります。近隣の山にはわりと楮があり、時期がくると自然に山に目たいきます。牛乳パックの再利用ももちろんいいのだけど、出来上がりでみると楮がいいですね。制作は楮がメインです。手も加え易いし、変色なども少ない。簾桁も自作で、様々な形、サイズのものを持っています。
Q4 作品はどこで見ることができますか?
年に1〜2回、ギャラリーでの展示をしています。今年5月には、丹南アートフェスティバル(巡回展)にも出品しました。和紙会館の展示(12/7〜1/9)と平行して、岡山でもクリスマス頃に展示をするかもしれません。今年(2005年)は、普段よりも多くの展示会に出品したので、とても忙しく、そして充実していました。
Q5 今後作ってみたいさくひんは?
立体に挑戦したいですね。平面が出発点ですが、倉敷で行なった合同展示会で、デザイナーとコラボして創った「灯り」で、立体に関する興味が湧きました。というか、立体というものを意識するようになったんです。今後はもっと挑戦して行きたいと思っています。


地域化した日本の和紙、何もしなかった代償
ここ数年の間にフランクフルトのメッセ、ニューヨークのステーショナリーショーとタイのトレイドショーを見る機会があった。ちょうど世界を三分割したような位置で開催されている見本市である。どの会場でも世界的なブランド品の合間に和紙風の手漉き紙、機械漉き紙やそれらを素材にした加工品が色鮮やかに展示されている。Made in Thailand,Produced by Taiwan,Made in Nepal,Made in Indiaなどが目を引き、東欧、南欧の紙漉きの作品も見ることができた。
最大の疑問は、どのブースにも和紙が出展されていないことである。日本で騒がれている(?)のが不思議なほど可笑しい現象だ。思いのほか和紙はマイノリティな商品だったのか。和紙という単語が、外国の辞書に載っていると自慢しても、その意味は大いに違っているのではないだろうか。今後日本のなかでも今以上にマイノリティになるのかと想像すると、和紙の将来も危ういものだ。
「季刊和紙17号に寄せた原稿より」 藤森洋一
アワガミワールドトピックス
石畳の道路と昔ながらのヨーロッパの建物に囲まれ、ブリュッセル市内に立地するArt Material Trade(AMT)は輸入卸会社。アワガミとはもう10年近くのお付き合いがあります。1階が倉庫、2階が事務所、3,4階が賃貸アパート、5階がゲストハウスになっており、訪問時にはいつもこのAMTビルに宿泊させてもらっています。社長のジョンはスウェーデンから来たとても頭のきれる人で、噂ではAMT取扱い商品の中でアワガミが一番のお気に入りとか!?奥さんのカリンは額縁メーカー&小売店のシュレイペーとAMT両方の会社を切り盛りする元気なスーパーウーマンです。営業部長のペーターは4ヶ国語を話す営業のベテラン。オランダ、リュクセンブルグ、ベルギー諸国を担当し、アワガミの営業に走り回ってくれています。遠く離れたヨーロッパでアワガミが愛されていることを思うと感慨深いです。
(担当:藤森 彩)
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