住宅や店舗,ビルなど,建築への和紙の使い方についてご説明します。

 

かつて日本の家屋は木と紙でできていると言われてきました。

床には紙の敷物(油団[ゆとん]),開口部の建具には襖紙や障子紙が,砂壁の腰張りには湊紙が,壁面や天井には壁紙が,部屋の間仕切りには衝立や屏風が,照明具には紙の「ほや」が使われてきました。

また冬には暖をとるために紙の「かや」(紙帳)が吊られ,そして床の間の天袋・地袋の隣には,紙で表装された掛軸が飾られました。

とまれ,戦後は,建築関係者や施主が経済性や機能性,施工容易性を重視したため,合成樹脂やビニールなどを多用した副作用といいましょうか。新建材が原因となっているアトピーやアレルギーが問題となり,自然の摂理を生かして漉かれた和紙の良さが,建築材として見直されています。

そこで,和紙を内装に用いるさいの,チェックポイントをあげておきましょう。

● 防火規制の確認
襖や障子は規格外ですが,壁や天井に使うさいは要確認。規制物件でも防災合格の製品もある。

● 手漉きか機械漉きか
風合いや品質,規格寸法,価格に違いがある。予算に応じて選択したい。

● 10年や30年という経済性を考えたら
手漉きの襖紙や障子紙,壁紙のほうがお得です。

● 下貼りコストを省かないことが大切
施工法が適切でないと,失敗したり経時変化します。

● 和紙の別注は一枚からできる
手すき和紙の加飾は豊富。オリジナリティーに富んだ設計に最適。

●モダンなインテリアに展開可能な和紙素材
ご希望を和紙業者に相談されるとよい。

● 和紙の特製や施行
経験豊富な表具・経飾店,襖壁紙専門店に問い合わせるとよい。

 

※参考文献『和紙の手帖』(全和連発行)

 

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