黒谷和紙の歴史は定かではありませんが、古く平家の落武者などが子孫へ残す技として始めたといわれています。
江戸時代には旗本領となり、文化と産業の発展につれて紙会所も設けられ、数々の奨励策がとられて発展し、京都に近いこともあって、京呉服に関連した紙が多くつくられていました。 |
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和紙会館 |
明治以降、養蚕の隆盛に伴ないそれに関連した紙の種類も多くなり、需要が増大していきました。その後、生活様式の変化につれて和紙から洋紙へ、手から機械へと全国的に歩みを変えていきましたが、黒谷は伝統的な古法の手漉きを守り続けました。今では全国でも数少ない純粋の手漉き和紙の産地として世界的にも名を知られ、貴重な存在となっています。 |
この和紙の秘境は、京都府の無形文化財として指定されました。京都から電車で1時間、高速道路、国道など京阪神と近畿圏からの交通の便に恵まれて、今日では多くの見学者もあり、人々の目にもよく触れるところとなりました。
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黒皮けずり |
原料共同作業所 |
和紙の里の風景がそのままに見学できる静かな産地。今、綾部の黒谷和紙として生まれ変わりつつ後継者育成に努力をし、生産と伝統の保守を守りながら、観光的和紙の里構想に懸命になっています。 |
1本1本の楮の皮を削り、白皮を清流に浸し、自然を生かした紙つくり。古き紙漉き村に、板干しの手漉きの紙の白さと共に、人間と自然との暖かい結びつきがあり、永い時代と共に生き続けてきた人々の愛情と力強さが息づいています。
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加工場 |
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