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かつては兵庫県西播磨地区も盛んな和紙の産地であり、兵庫県穴粟郡は、思草(しそう)杉原の産地とされ『新撰紙鑑(しんせんかみかがみ)』には「杉原此所より初めて漉出すを云ふあり。江戸表に一束一本の献上物なり」とあり、杉原紙の中でも高級品の一つとされ、詩文を書く料紙として調整したと伝えられています。
思草(宍粟)杉原も、昭和 20年代末頃から伝統が絶えていましたが、昭和58年3月神戸市立有馬中学校卒業(当時15歳)と同時に、名塩和紙の門を叩き、5年修業した後、倉敷の備中和紙でさらに修業を重ねた吉留新一が、平成4年4月、国産のガンピを使い和紙の製造を始め、「ちくさ雁皮紙」と名づけました。
千種川は「水の郷」と国土庁から指定され、日本の百選名水の一つに数えられています。
その源流の美しい水と良質の原料、そして若い活力によって生まれる半透明の美しい和紙を、他産地にはない独特の最高の和紙とし、紙人生まだ三分の一ではありますが、これからの全てを、この地を「和紙の郷」として歴史に刻むべく日々和紙を製造しています。
当工房では毎年1月〜3月頃県内に自生する雁皮を自ら収穫し、原料に徹底的にこだわり、、昔ながらの手漉きの手法による一つ一つの工程を、手を抜くことなく心身こめて骨身惜しまず積み重ねていくことで、光沢のある半透明の美しい和紙を全製品天日干しにてつくりだしています。 |
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