長沢和紙(ながさわわし)
【所在地】 山形県最上郡舟形町長沢
【主製品】 大判和紙・加工用紙・賞状紙・名刺・染色紙
長沢和紙の起源は古く、鎌倉時代に曽我一族の鬼王団三郎が和紙づくりを伝授したと伝えられています。以後800年にわたり和紙づくりが行なわれ、藩政時代に領主の幕府献上品として、また各種の御用紙や領民の障子紙として広く愛用されてきました。また戦国時代にあっては、天下にその名を恐れられた出羽喇叭(でわらっぱ)の忍(しのび)衣装に用いられ、強靭なその製品は他に類を見ないといわれております。

最近の長沢和紙の生産の最盛期は、昭和13年頃と27年頃で、年間8,000帖から10,000帖を生産し、地区内のほとんどの農家で紙漉きが行なわれていました。ところが戦後急速なパルプ紙の普及や、開田によるコウゾ畑の水田化から原料不足となり、 39年、地区の共同紙漉場の閉鎖を機に、長沢和紙は一時途絶えてしまいました。しかし、54年に最上地方が国のモデル定住圏構想の指定を受け、「長い伝統をもつ長沢和紙を復活させよう」という地区民の声が高まると共に、舟形町が地域開発計画推進の一つとして「長沢和紙」の復活を取り上げました。

特産品の指定を受けたことで、地区民で結成された長沢地区郷土特産物生産振興協議会が町の援助を得て、 57年に約18年ぶりに復活生産に入りました。現在、郷土特産物即売センター松原では忠実に伝統を受け継ぎ和紙の生産に励んでいます。山野に自生するコウゾの皮とノリウツギの汁だけでつくる和紙は、素朴でしかも優雅さをもち、強靭なところが特徴です。
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